戻る |
※資料追加しました(2011/2/4)
タイトル:「ウォーゲーム(図上演習)の歴史:クラウゼヴィッツ、H.G.ウェルズからオバマ大統領まで」
講師 :蔵原大氏 (軍事問題研究会研究委員)
講師紹介:
1972年横浜生まれ。戦略学/歴史学の立場から19世紀以来のウォーゲームの研究をしている。戦略研究学会の学会誌「戦略研究」(http://www.j-sss.org/hakko.html)に論文・翻訳を発表。
特に歴史学の成果に基づく戦略研究での「紛争シミュレーション教育」あるいはウォーゲーミング(図上演習の方法論)の史学研究および紹介をその専門とする。
内容紹介:
皆さま、こんにちは。
蔵原と申します。今回は宜しくお願いいたします。
二月六日の講座で扱いますのは、チェスから発達した「ウォーゲーム」(図上演習)、すなわち武力紛争を模擬した公式競技が辿ってきた約一世紀半の歴史、そして今日における学術的・政治的現状です。
ご注意いただきたいのは、講座ではアーケードゲーム等の「娯楽ゲーム」に関しては(ご質問を受ければ別ですが)基本的には言及を避けさせていただきます。あくまで発表者が専門とする最古の「シリアスゲーム」の歴史、クラウゼヴィッツ風にいえば「他の手段をもってする政治の継続」としての「ウォーゲーム」の社会的文脈につきまして、ほんの基本的な情報を開陳できましたら幸いに思います。
なおこの場を借りて二月の講座の概要を申し上げますと、それはナポレオン戦争の余波として19世紀プロイセン軍が生み出した職業軍人創出のための教材「クリークシュピール」(=ウォーゲーム)に始まり、20世紀にはH・G・ウェルズ等のSF作家によって娯楽に転用され、そして21世紀の現在、アメリカ初の有色人種大統領であるオバマ氏がその就任に際して「ホワイトハウス・ウォーゲーム」を行なうほどに政治の分野で少なからぬ影響を及ぼしている「ウォーゲーム」(図上演習)の歴史と背景についての概説ということになります。現実の政治家や平和学者の方々も実演してきたウォーゲームとはどんな物なのか、実物を展示しながらお話をしたく考えております。
さらに講座ではウォーゲームの史学的解説に加え、現代の欧米における「軍産複合体」がゲームの分野でどのような姿をとっているのか、またゲームという形式で発信されるプロパガンダの事例につきましても簡便にご説明したく思います。心理操作という概念は、かつてはSFの領分であったように思われた方もおいでかもしれませんが、今や心理学やゲームに関する技術開発はSFの物語を凌駕せんとするかの如くです。『孫子』「計篇第一」に「兵者詭道也」(戦うとは人を騙すことだ)とありますが、様々な公共ゲームが「人を騙す」様についての説明をお楽しみいただけますなら、ありがたい限りです。
ここで二月の講座に関しまして日本語の参考文献をご紹介いたします。(特にお読みになられる必要はないのですが)以下がご理解のお役に立つのではないかと思います。
○ クラウゼヴィッツ著、清水多吉訳『戦争論(上)』(中央公論新社)
○ 蔵原大「20世紀のウォーゲーミング(図上演習の方法論)に関する歴史」『戦略研究』(第6号、芙蓉書房)
○ 秦郁彦編『太平洋戦争のif[イフ]』(中央公論新社)
○ フィリップ・セイビン著、蔵原大訳「歴史上の紛争を表現するシミュレーション手法」『戦略研究』(第8号、芙蓉書房)。
○ ピーター・P・パーラ『無血戦争』(絶版)。
○ ジェームズ・F・ダニガン『ウォーゲーム・ハンドブック』(絶版)。
皆様からのご質問・ご批判・ご叱咤等は喜んで拝聴したく思いますので、ご出席の程、宜しくお願い申し上げます。それではあとは二月六日にお会いしたい次第です。
なおご参考までに、Analog Game Studies. ( http://analoggamestudies.seesaa.net/ )というところで拙筆の下記記事を載せております。以下の内容もご一読いただけますと幸いです。
○ 【レビュー】ウォーゲームを製作する歴史学の講義:フィリップ・セイビンの革新的試み(蔵原大)
( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/173944846.html )
○ 【レビュー】秦郁彦編『太平洋戦争のif[イフ]』(2010):歴史学者の秦郁彦と戸高一成、ウォーゲームにて激突す!(蔵原大)
( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/172911744.html )
![]() |
![]() |
資料:講演の内容のまとめ(PDF)
月例研究会実績(蔵原さんの属されている「軍事問題研究会」の簡単な解説です)(PDF)
開催日時:2011年2月6日 日曜日 午後6時15分〜8時15分
参加費 :千円
会場 :高井戸地域区民センター(地図)3F
以上
会場は、京王井の頭線高井戸駅のプラットホームから見えています。特大の煙突が目印です。
駅の改札口をでてすぐの歩道橋で、環状8号道路をわたって下さい。
そこから、井の頭線沿いの横道を少し入って、左に少し入った右手の建物に入り、エレベーターでB1から三階へ上がって下さい。
いつも近くで二次会をやっています。だいたい10時くらいまでです。
SF乱学講座はどなたでも参加できる公開講座です。